松岡太和の絵を最初に見たのは1975年頃だったと思います。まだ大学生の目にさえ「強く自己表現をしている存在感のある絵」だったのを覚えています。それが彩漆画(さいしつが)であったことさえ知りませんでしたが、いまだにはっきりと思い出せる一枚です。(海女の海岸)
松岡太和は私の妻の親戚にあたり、私との面識は一度もありません。しかし今回こうして彼の絵を一人でも多くの人に見てもらいたいと、このウェブによる松岡太和美術館を開くために行動し始めたのも何かの縁であると思います。また松岡太和のエネルギーをいつも身近に感じるのです。
松岡アヤの松岡美術館を作ろうとする強い意志と、松岡太和を生涯支えてきたこの女性の生き方は、私の心に語って止まりません。太和の生涯の作品のほとんどを売却せず、太和の生地奈良県宇陀市に集めたおいたことはその志の現れです。
一人のアーティストが生涯作品に注ぎ込んだエネルギーは計り知れず、その力は画集からもはっきりと伝わってきます。私もアーティストの一人として松岡夫妻の志をこのような形でも伝えることができとても嬉しく思います。
“絵は見てもらうために生まれた”世界中で一人でも多くの方が彼の彩漆画、デッサンなどの作品を観ていただき、漆絵の素晴らしさを感じていただけたら、松岡太和夫妻と共に光栄に思います。
今回のプロジェクトでご協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。
特に調査からコピーライトまで意欲的に進めてくださった吉沢弥重子さんに御礼申し上げます。また心から賛同しご協力くださった高吉幸雄フォトグラファー、ウェブデザインではこちらの意向を素直に表現してくださったシトラスデザインのカリカさんなど皆様に御礼申し上げます。
このプロジェクトを通じ、松岡太和の作品に魅せられた人々との出会い、そして心の交流ができたことは私にとって素晴らしく貴重な経験となりました。
多くの方々のご協力により完成したこの松岡太和美術館を通じ松岡太和の彩漆画の世界をお楽しみいただければ幸いです。
2006年11月 ロスアンゼルスにて
馬上 直晴
ご協力いただいた方々:敬称略 順位不同
吉沢 弥重子 / コピーライティング、編集、調査
村井 康則 / コーディネーション
小菅 典明 / 写真家
高吉 幸雄 / ツウィンクル・フォト・スタジオ
永井 修 / 写真撮影協力
松波 康弘 / コーディネーション
佐々木 通恵 /コーディネーション
堀尾 澄子/ 作品提供
松岡 康毅 / 作品提供
馬上 真理子 / 校正
Janet LeBlanc / 校正
丸山 高志/(社)日本漆工協会 専務理事 アドバイス
乾 順子/コパンダール画廊オーナー 知人
新居田 和夫/フランス在住アーティスト 絵の修復
東森 英幸、中尾 忠、吉岡 義雄 /奈良県宇陀市市役所(旧榛原町役場)
Kalika Nacion Yap / シトラスデザイン、ウエッブデザイン
ISS Translation / 翻訳
堀内カラー/ 写真スキャン
岡村印刷 / 写真提供
追記:
松岡太和の妻、松岡アヤが 2006年11月8日に亡くなりました。
このホームページの完成を待たずして他界したのは誠に残念でした。しかしながら松岡の彩漆画を一人でも多くの方にこのバーチャル美術館にて見ていただけたなら、太和、アヤもさぞかし天国で喜ぶことと思います。なお今後も彼らの志を継いで、絵の貸し出しなど実現できればと思っております。