正攻法としてのデッサン研究では、雅趣のある肖像はできないもので、早期奈良師範時代自己流でブォルテールの石膏像を木炭の線で無雑作に描き込んだ顔を、安堵村に帰っていた富本憲吉さんが見えて大変褒めてくださったのを覚えている。このコンテの自画像はいささか持味がそれに近いので、若いころのをお目にかけた。
32.5×25.0cm
1916年(大正5)