石上神社の周辺を布留の里と呼ぶ、物部氏の勢力地、武器庫でもあった。有名な百済から朝廷に贈られた七支刀も宝庫に修められている。
「石上布留の神杉神びにしわれやさらさら恋に逢ひにける」(万葉集十の一九二七)
「未通女等が袖布留山の端垣の久しき時ゆ思ひきわれは」(万葉集四の五○一・人麻呂)
いかめしい神社がよく相聞歌に詠みこまれているのも面白いと思う。周辺を歩き廻って特定の何処ということなしに描いてみた。
80.3×116.7cm
1968年(昭和43)