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緋牡丹
みちのくの古い須賀川大牡丹園。灌木牡丹の概念を一掃してくれたほど素晴らしい大株を拾数本も見出したときの感激、一樹よく二百花を咲かせるという。3年ほど通って画稿を満たしたのは昭和12~14年頃であった。軽く仕上げるために全画面を6曲屏風の形式に作り6等分した。素地は良質の麻布を檜の枠に張った。これを最上質の特製漆で堅めて漆カンバスを作り、下地のサビはしていないから描いた彩漆で布地は埋まっただけである。戦中戦後の余暇に描き続けて30年までかかったが、描かない期間の方が長い。