About This Project
飛鳥より大和国中大観
大和平野が黄金の波に埋められた景観を描きたいと数年に亘って歩き廻った末に、飛鳥の甘橿の丘から北を眺めた大観にきめたのが昭和44年秋、近景に描く豊浦の集落と藁葺の家が一軒目について大よろこびで訪ねて行った。在宅の米寿翁10年の知己の如くに歓談、玉露のご馳走になって飛鳥の大和屋の旧家を数々教えてくれたり、遺跡や隠れた磁石などの存在を話してくれた。年明けて1年、この絵もでき上がってカラープリントを持参再び訪ねたときはすでに世を去って、描かれた家はとたん葺きの2階家に変わっていた。